スタジオジブリの映画「崖の上のポニョ」のロケ地となった広島県福山市の鞆の浦の風景です。
夜明け直後の、鞆の浦のシンボルとなっている鞆港西側の雁木の南側に立つ常夜灯を主役にして描いてみました。写真を撮影した場所は漁港関係者しか立ち入ることができないところの脇で、常夜灯までは距離があるため、小さく写っていますが、実際は高さは5.5m,海中の基礎の上から宝珠まで11mもあって、現存する江戸時代の常夜灯としては最大級の大きさを誇っているということで、画面ではグッと大きくして配置しました。
それに合わせて近くに係留してある船も拡大して配置しています。右端に係留していたボートは画面の構成要素が多くなるので外しました。外したボートに繋がっていたロープは、画面上、良いアクセントになっていたので残しています。
夜明け直後の逆光に常夜灯のシルエットが印象的でしたが、シルエットにはせず、実際の色を感じるように描きました。明かりが灯る部分は太陽光が当たったほぼ順光のイメージにして、そこから下の部分をシルエットに近いようにしています。
太陽の高さが低い逆光で、背景も含めてほとんどがシルエットという風景でしたが、青味と淡い黄味の色調で早朝のイメージでといった感じでまとめるようにしました。空は雲ひとつない快晴でしたが、つるんとした空では味気ないので、Adobe FrescoのAIの滲みに任せて、少し雲を感じるように描いています。逆光の風景ながら、黒い影の部分はほとんどない絵にしています。下の実際の風景を撮影した写真は、撮るときに写真がシルエットにならないように補正をかけて撮影しています。実際の見た目はほぼシルエットでした。
Adobe Frescoでのレイヤー数は20枚ほどになりました。タイムラプス動画を見ていただければわかりますが、最初にラフ画で大体のイメージを掴んでから描いています。下書きのみ鉛筆ブラシで、その他はすべて水彩ブラシで描いています。色の混ざり具合はAdobe FrescoのAIに任せて、広くぼかすところはぼかしツールを使っています。
- 使用したiPad:iPad pro(初代)9.7inch 32GB
- 使用したApple pencil:Apple pencil(初代)
- 使用したアプリ:Adobe Fresco
- キャンパスサイズ:3072px × 2304px
Inside iPad Artwork 072
制作過程をAdobe Frescoのタイムラプス動画で紹介( 6:08 )
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使用した画像